2018.04Vol.1
花々の美しい暖かな気候となりました。いかがお過ごしでしょうか。私は都内の皮膚科で診療を行っております皮膚科医師の嵯峨真輝と申します。日々の診療で感じたことなど、季節に合わせて発信していきたいと思います。
さて、春は気温が変わり、花粉や強くなる紫外線が気になる季節でもありますね。変化の季節は肌のトラブルも起きやすいものです。
間違った洗顔により肌のトラブルを引き起こしている患者さんを拝見することもあり、正しい洗顔の大切さを感じています。
毎日の洗顔を見直してみてはいかがでしょうか。
洗顔の回数は1日2回、朝と夜の入浴時が基本です。洗顔時は良く泡立てた洗顔料を優しく肌になじませ、決してこすらないようにして、ぬるま湯で十分すすぎましょう。洗い終えた後は清潔なタオルで優しく水分をふき取ります。
洗顔は肌の汚れを落とすのが本来の目的です。肌の汚れは、皮脂・汗・古い角質層などの内因性のものと、空気中のちり・ほこり・花粉・細菌や化粧品などの外因性のもので構成されています。
皮脂は皮膚表面に薄い膜を作ることで、角質層内の水分の蒸散を防ぎ、適度な水分・油分を蓄えさせる作用があります。
この水分と油分の量が正常に保たれていれば外部からの刺激を防ぐことができます。
しかし、皮脂を放置するとべたつき、てかり、化粧崩れの原因となるほか、ニキビや刺激の原因となる物質に変化することも分かっています。そのため皮脂は定期的に洗顔して洗浄除去する必要がありますが取り除きすぎないようにすることが大切なのです。
乾燥肌の方は洗浄力の強い洗顔料をお使いになると皮脂が奪われすぎて乾燥が酷くなることがあります。乾燥肌の方には皮脂(潤い)を残して洗う洗浄料が良いでしょう。
反対に皮脂の多い方は、洗浄力の弱い洗顔料で洗うと十分皮脂が落ちずニキビの原因になることがあります。皮脂、ニキビの多い方には十分な洗浄力があり、なおかつ静菌効果のあるものが良いでしょう。
敏感肌の方は、肌に合わない洗顔料の刺激で炎症を起こすことがあります。中には水だけで洗顔しているという方も見られますが、皮脂や角質、細菌が炎症の原因となるため、適切に洗顔料で除去することが必要です。肌に負担の少ない、優しい洗浄料のものをお勧めします。
肌トラブルのある方はご自分の症状に合った洗顔料を見つけることが大切です。
またトラブルの無い方も洗顔でプラスアルファの効果を狙うことができます。
くすみや小じわを少なくする洗顔料もありますのでお試しになってはいかがでしょうか。
嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。