2020.03vol.13
町に花があふれ、春の訪れを嬉しく感じるころとなりました。 冬から春へ季節が移ると、服装を軽やかに変えるように、スキンケアも変える必要があります。 しかしついつい冬と同じスキンケアを続けてはいないでしょうか。 本日は春へ向けて変えるべきスキンケアのポイントについてお話ししたいと思います。
実は春は肌トラブルの多くなる季節です。その原因は複数あります。 冬に比べ気温は高くなりますが、まだまだ朝晩は冷え込み、日によって大きな寒暖差がある春は、体調を崩しやすい季節です。 体調を崩すと一気に肌の調子も悪くなりがちです。
もう一つの大きな原因は乾燥です。日本海側では冬よりも春の方が温度の低下がみられます。
太平洋側では冬よりは温度が上がりますが、気温の上昇にくらべまだまだ低いため、冬からの乾燥肌が継続して、肌が敏感な状態が続きます。
次に花粉です。花粉症をお持ちの方は、通常は普通肌でも、花粉の時期は皮膚がかゆくなったり過敏になったりすることがあります。
これはくしゃみや目のかゆみなどと同じ花粉症のアレルギー症状の一つなのです。
それらの原因一つ一つに対処するのが春のスキンケアのポイントです。
具体的な対処法についてお話ししたいと思います。
まずは洗顔。
花粉やほこりを除去するのはもちろん、気温とともに分泌の多くなる皮脂を除去するのにも洗顔はとても大切です。
朝晩の洗顔をしっかり、できれば帰宅後も洗顔なさるといいでしょう。
次にスキンケア。
冬になさっていた同じ保湿ケアを春もお続けになることをお勧めします。気温の上昇により、クリームではこっくりしすぎると感じる方は乳液タイプに変えてもいいでしょう。
夜だけでなく、朝も保湿し、一日中意識的に保湿をなさることが大切です。
花粉などで肌が敏感になっている時は一時的に刺激の少ない化粧品を使うことも有効です。
あまりひどい場合は皮膚科受診をお勧めしますが、毎日の正しいスキンケアで皮膚を健やかに保つことにより、春の肌トラブルを防ぐことは十分に可能です。
それから紫外線予防です。
紫外線対策は暑くなってから意識される方が多いため、春は気づかずに日焼けをしがちです。
お出かけ前には日焼け止めを必ずつけましょう。乳液や下地にUVカット機能のあるものですと気軽につけられます。
また、帽子や日傘での対策も春から取り入れておくと良いですね。
最後に体調管理です。
これは一年を通して大切なのは間違いありませんが、特に春は寒暖差で体が疲れたり、環境が変わって精神的ストレスを感じたりしやすいもの。
無理をせず休んで疲れやストレスをためないよう心がけましょう。
春は過ごしやすく気持ちのいい季節。スキンケアも春仕様に変えて、きれいな肌で軽やかに過ごしたいものですね。
嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。