2021.08vol.25
暑い日が続きますね。
本日のテーマは色素沈着です。一般に肌のくすみとして認識される色素沈着。そのままにしておくとさらに濃く、治りづらくなることも。色素沈着と言っても発症原因や症状は様々です。また何気ない癖や習慣が原因となることもあります。そこで本日は色素沈着について、発症機序や原因からご自宅でできるケアまで、詳しくご説明致します。
色素沈着は皮膚の一部や全体に他より色が黒っぽく(茶色く)見える部分がある状態のことです。この色の原因はメラニンです。表皮の最も下(内側)の基底層と呼ばれる部分にある色素細胞でメラニンは作られます。
その働きは毛や皮膚のメラニン色素で紫外線を吸収し、各細胞のDNAの破壊を防ぐことにあります。メラニン色素が少ないと皮膚がんを発症しやすくなります。つまりメラニンは人の体になくてはならないものです。
しかし、通常よりも過剰に生成されると色素沈着となり、美容的な問題となります。
色素沈着は様々な原因で起こりますが、臨床で最もよく診療するのは「炎症後色素沈着」です。
炎症は湿疹、肌荒れ、傷やニキビ、日焼け、やけど、虫刺されや掻き壊しにより起こります。炎症が起こると、皮膚を守ろうと色素細胞からメラニン色素が生成され、時間を経て色素沈着を残します。これが炎症後色素沈着です。
他にも繰り返される擦れ、例えば日常的な自己流のマッサージ、衣服の擦れ、また入浴時の強い力での洗浄といった物理的刺激によっても色素沈着が起こります。
ナイロンタオルやボディーブラシでの洗浄が習慣となっている方には肋骨や背骨に一致した色素沈着が見られる方が多いです。妊娠すると色素沈着が起こることが知られていますが、出産後に自然に皮膚の色は明るく戻ります。
色素沈着は表皮の生まれ変わりのサイクル(ターンオーバー)により次第に剥がれ落ちて消えますが、繰り返される刺激やターンオーバー期間の異常により消えにくくなることがあります。加齢、過労、ストレスはターンオーバー期間を長くします。
全身の長引く色素沈着は薬剤や全身疾患が原因の場合もありますので医師に相談しましょう。また、そばかす、シミや肝斑も色素沈着の一種です。色や濃さによりメラニンの深さ、量が変わり対処法が変わります。気になる場合は医師への相談をお薦めします。
色素沈着の原因を知れば、予防はそこまで難しくはありません。
・まずは日焼けを防ぐために日常的に紫外線対策を行いましょう。
・湿疹や肌荒れによる炎症を予防するために保湿も欠かさず行いましょう。
・日焼け、やけど、傷は炎症を早く抑えることが最も重要です。すぐに水で冷やし、できれば抗炎症作用のある外用薬を使用しましょう。
・入浴時の洗浄はゴシゴシ強く洗わないこと。優しく手で洗うか、柔らかい素材のスポンジやタオルを使いましょう。
・顔や全身のマッサージをなさる場合はこすらないように。お化粧時や洗顔時にも強い力でこすらないよう気をつけましょう。
・色素沈着ができてしまっても皮膚のターンオーバーが正常であれば早く治ります。過労、ストレス、睡眠不足はターンオーバー異常の原因となります。規則正しく、よく休みストレスを溜めないよう心がけましょう。
・ビタミンCはメラニンの生成をおさえるとともに、すでに生成されたメラニンの還元作用も認められています。他にもβカロチン(ビタミンA)、ビタミンE、L-システインにも色素沈着の予防や軽快に効果があります。野菜や果物を意識的に摂り、バランスの良い食事を心がけましょう。
・化粧品やスキンケア商品、飲み薬にもメラニン生成の抑制、ターンオーバーの促進など、様々な効果のある商品があります。目的に合わせて上手に使ってみると良いでしょう。
外来でも非常に良く診療する色素沈着。くすみの原因となり印象を大きく左右します。ご自宅で簡単に予防ができますので是非行ってみてくださいね。
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嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。