2022.05vol.29
本日は皮膚の老化についてお話ししたいと思います。
お年寄りの皮膚はどのようなイメージでしょうか。
しみ、しわ、いぼを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
このような変化を皮膚の老化と言いますが、実は老化にも2種類あることが分かっています。
一つは通常の老化。お年を召すと誰にでも、どの部位にも起きる変化です(便宜上 通常老化といいます)。
それに対し今注目されているのが光老化です。これは光、主に太陽光によってもたらされる老化です。
今回は通常老化と光老化の違い、またその予防法についても考えていきたいと思います。
通常老化と光老化は同時に起こりますが部位によって違いがでます。
つまり、露光部(太陽光に当たる部分、顔、手の甲など)には通常老化と光老化の両方がみられますが、非露光部(通常服に覆われる部分)では通常老化のみで光老化は見られません。
わかりやすいよう通常老化と光老化の違いを箇条書きにします。
[通常老化]
部位・・・全身(露光部、非露光部とも)に見られる
しわ・・・細かいしわ
色・・・白い(薄くなる)
皮膚の厚さ・・・薄くなる
柔らかさ・・・柔らかくなる
原因・・・加齢
[光老化]
部位・・・露光部(顔、手の甲、頭部)
しわ・・・深いしわ
色・・・褐色
皮膚の厚さ・・・厚くなる
柔らかさ・・・硬くなる
原因・・・太陽光
光老化は太陽光の紫外線に対する防御反応です。
色素を増やし皮膚の色を濃くすることで皮膚の奥に紫外線を通さないよう防御します。
これがくすみとなり、徐々にしみへと変化します。
また皮膚の奥、真皮には弾性繊維が薄い層になって皮膚のハリを保っていますが、光老化はこの弾性繊維が破壊されて層状ではなくなり、丸まってしまう変化が見られます。
これは光線性弾性線維症とよばれ、ハリが無くなりたるみとなりそして深いしわの原因となるのです。
この光老化は紫外線によってのみ起こりますので、紫外線に当たらないおなかや内ももには見られない変化です。
顔の目立つしみやしわの原因は殆どが光老化によるものといえると思います。
さて、老化は防ぐことができるのでしょうか。
残念ながら通常老化は防ぐことはできません。しかし保湿することで細かいしわの予防は可能です。
次に光老化。これは防ぐことができます。紫外線予防をすれば光老化は効果的に防ぐことができるのです。
・日傘、帽子、中袖長ズボンで露光部を少なくする工夫をしましょう。
・露光部には一年中日焼け止めを塗ること。夏は特に念入りに一日に何回か塗り直しましょう。
・屋外でのスポーツ、スキーは特に日差しを浴びやすいです。紫外線予防をしながら健康のためにスポーツを楽しみましょう。
・山や海外へ行くときは普段生活している場よりも紫外線が強い場合があります。開放的な気分で宇すぐになることも多いでしょう。忘れずに紫外線予防をしましょう。
対処法を知って早くから実行することで老化は予防することができます。美しく、豊かに年を重ねたいものですね。
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嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。