2023.04vol.34
暖かくなってまいりました。本日は診療中によく拝見する春先の肌トラブルについてお話し致します。
春先は顔の軽い炎症をよく拝見します。特に女性に多く、目の周り、頬骨のあたりや首に赤みや軽度のかゆみを訴える方が多いです。診断名は皮膚炎で、炎症を抑える弱めの外用薬で比較的短期間(数日)で治ることがほとんどです。
原因は乾燥、花粉、日光などと考えます。ひとつひとつご説明します。
始めに乾燥ですが、気温の低くなる冬は空気も乾燥し全身の皮膚の乾燥がみられます。春先になってもまだ乾燥肌が続いていたり、春になり少し乾燥が和らいだことで保湿を怠ったりすることが原因と考えます。
乾燥すると皮膚表面のなめらかさが失われ、角質が荒れることで皮膚が過敏になります。
次に花粉ですが、花粉症の症状、くしゃみ・目のかゆみ・鼻水の他に、皮膚炎の症状も出ることはあまり知られていません。乾燥で過敏になっているとさらに悪化するという特徴があります。花粉症などアレルギーをお持ちの方は年々増えており、昨年までなんともなかったのに今年初めて皮膚炎を発症し、そこから花粉症が発覚するという方もあります。花粉だけでなくホコリや黄砂も原因になります。
日光(紫外線)は春に強くなりますが、まだ気温が高くなっておらず油断しているうちに日焼けをして炎症が起きていると考えられます。
男性より女性の方が皮膚が薄く皮脂量も少ないので、乾燥しやすく外的影響を受けやすいことで女性に多く見られると思われます。それから春は外出の機会が多く花粉や日差しの影響やお化粧の刺激を受けやすいことも春先の皮膚炎の原因となっていると考えられます。
新型コロナのため3年に及ぶマスク生活でマスクがこすれて顔面の皮膚が乾燥して過敏になる方も多いようです。
他にも春の気温差により体調を崩し、体調不良により皮膚にさまざまなトラブルが起こる方もあります。
このように様々な原因で起こる春先の皮膚トラブルですが、毎日のお手入れでしっかり予防することができます。
1. 洗顔
私が春の皮膚トラブルで特に大切だと思うのが洗顔です。刺激の少ない洗顔料をよく泡立てて、優しく汚れや花粉、皮脂を洗い流してください。水やお湯だけで洗顔する方もありますが、それでは過剰な皮脂が落ちません。過剰な皮脂にはほこりや花粉がつき刺激の原因となります。毎日の汚れはその日のうちにしっかり落としましょう。
2. 保湿
保湿は季節にかかわらず毎日必ずしましょう。水分量の減った皮膚は刺激に反応しやすくなります。引き続きしっかり保湿をすることで刺激を受けにくい皮膚になります。
3.日焼け止め
冬の間気にならなかった日差しも春には強くなります。夏だけでなく一年中日焼け止めを使用しましょう。
4.化粧品
春先は炎症が起きやすい季節ですので、肌に優しい化粧品を使ってしっかりケアしましょう。普段使っている化粧品でも皮膚が過敏になっている時は、しみたり刺激を感じたりすることがあります。そのようなときは短期間低刺激の化粧品に変えて様子を見てください。
今回は春の皮膚トラブルについてお話ししました。症状が出た場合は皮膚科を受診すべきですが、症状が出る前でしたら正しいケアで十分に予防が可能です。毎日のお手入れを少し見直してみてくださいね。
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嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。