2023.06vol.35
日に日に暑くなり、いよいよ梅雨の時期となりましたね。毎日雨で洗濯物は乾かないし、何かと鬱陶しい季節ですが、不快になる原因の一つは皮膚のべたつきではないでしょうか。
本日は梅雨の皮膚トラブルとスキンケアについてお話しいたします。
梅雨の皮膚のポイントは
①皮脂
②乾燥
③紫外線
の3つです。
一つずつ、ご説明いたします。
<皮脂>
梅雨の季節に皮膚がベタつく原因は湿度と、夏の高温による皮脂と汗の過剰分泌です。皮脂は気温が高くなると分泌量が増え、夏は冬の2倍近く分泌されることがわかっています。皮脂腺から分泌された皮脂は水分と混ざり合い皮膚表面に皮脂膜を作り、皮膚の水分の蒸散を防ぎます。これにより皮膚の乾燥を防ぎ、刺激から守る役割を果たします。皮脂腺はおでこ・鼻・顎に多いです。この分布がアルファベットのTの形に似ているので、Tゾーンと呼ばれています。皮脂の分泌が過剰になるとTゾーンのテカリが目立ち、べたつき、お化粧崩れや毛穴が開く原因にもなります。
ハンカチやタオルでこまめに過剰な汗を拭きましょう。こすらずに吸い取るようにすることが大切です。それからあぶらとり紙で皮脂を抑えましょう。このときも決してこすらないようにしてください。
皮脂は時間が経つと皮膚に刺激を与えます。べたついた肌にはほこりや汚れがつき、これも刺激の原因となりますので、外出先から帰宅したら洗顔して皮脂を洗い流すとよいでしょう。
洗顔フォームをよく泡立て、Tゾーンはしっかり、ほかの部分は優しく。しかし過度な洗顔は乾燥を招くので頻回に洗顔することは控えましょう。洗顔後はさっぱりしたローションや皮脂を抑える化粧品の使用をお勧めします。
<乾燥>
梅雨の時期はいわゆる「隠れ乾燥」の季節でもあります。屋外の湿度は高いのですが冷房の効いた部屋では湿度は極端に低くなります。
屋外にいるときは汗と皮脂で潤っている皮膚も急な湿度の低下により皮膚の水分が奪われます。しかし皮脂の油分は蒸散しないので油分だけ残り、ベタベタしているのに乾燥している「隠れ乾燥」となります。表面の皮脂により乾燥に気づきにくいのがこの隠れ乾燥の特徴です。
暑い時期は保湿をしないという方もいらっしゃいますが、必ず毎日保湿を行いましょう。あまりしっかり保湿しすぎるとベタベタしますので、冬よりは軽めのケアでかまいません。さっぱりタイプの乳液がおすすめです。
<紫外線>
梅雨の晴れ間には紫外線が強く降り注ぎます。晴れる日は少ないですが、6月の紫外線は真夏並みの強さです。
1日雨の予報だったのに午後になったらきれいに晴れた、などということもありますよね。うっかり焼けを防ぐためにも毎日の紫外線予防は雨の日もしておくと安心です。
梅雨時期の皮膚のお手入れのご参考になればうれしいです。雨の季節も正しいスキンケアで爽やかに過ごしましょう。
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嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。