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ドクターズコラムDOCTOR'S COLUMN

夏のかゆみ

vol.37「夏のかゆみ」

2023.08vol.37

今日は「夏のかゆみ」をテーマにお話ししたいと思います。
夏はかゆみを伴うトラブルを引き起こしがちです。あせも、虫さされ、水虫(いんきん・たむし)、日光のかぶれなど原因は様々ですが、本日は、特に多い「汗が原因のトラブルとその対策」についてお話しします。

気温が高くなると人は汗をかきます。汗が蒸発することで気化熱が皮膚表面の温度を下げる働きをします。汗は皮膚の汗腺から出ます。成分はほとんどが水で、微量の塩分や尿素、皮脂などが含まれます。

  • 夏のかゆみ
  • 汗の成分そのものは無害なものですので健康な皮膚に汗をかいても刺激を感じることはありません。
    ところが皮膚が乾燥していたり、紫外線の影響を受けたりして皮膚のバリア機能が低下していると、刺激を感じてかゆみが出てしまいます。これが俗に言う「汗かぶれ」です。

また、たくさんの汗をかいたときに汗腺がつまり皮下に汗がたまると、いわゆる「あせも」になります。かゆみを伴わないものから、強い炎症や湿疹を伴うものまで、様々な症状がありますが、すべて発汗が原因であることは変わりありません。

  • 夏のかゆみ
  • これらの「汗かぶれ」や「あせも」は軽傷であれば、清潔にして汗をかかない涼しい所にいると治りますが、炎症が強い場合は炎症を抑える外用薬を使用して治ります。

しかし、掻いてしまうと皮膚の表面の角質が乱れ、バリア機能が低下します。バリア機能が低下した皮膚に汗がつき、さらに刺激を起こし、悪循環が生まれてしまいます。掻いたところが傷つき、夏は特に傷に細菌がついて「とびひ」になることも多いです。掻かないことはとても大切です。

  • 夏のかゆみ
  • 夏はどうしても汗をかきますから、汗をかいても大丈夫なように、皮膚を清潔に、健康に保っておくことが肝心です。
    特に、夏の乾燥肌は意外に多く、外来でも特にご高齢の方は多くの方が乾燥に気づいていないことに驚かされます。夏でも毎日保湿を心がけることも重要です。さっぱりタイプの乳液でしたら無理なくお使いになれると思います。

夏の汗によるトラブル対策、具体的には
・汗をかいたら拭く
・大量の汗をかいたらシャワーで洗い流す
・紫外線対策をする
・夏でも保湿をしっかりする
・かゆみが出ても掻かない
以上を心がけましょう。

暑い夏、レジャーに出かける方も多いでしょう。健康な皮膚でお出かけを楽しんでくださいね。

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嵯峨 真輝 (さが まき)先生

学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。

専門分野
皮膚科 小児皮膚科 アレルギー科
資格・学会
日本皮膚科学会正会員 日本レーザー医学会認定医(1種) 小児皮膚科学会員
経歴
東京女子医科大学医学部卒業
東京女子医科大学東医療センター皮膚科入局
同医局研修医終了
東京女子医科大学東医療センター皮膚科研究生
金町駅前クリニック皮膚科医員
2008年 奥戸皮膚科医院 副院長
サイトURL
http://www.okudohifuka.com/