2024.04vol.46
気温が高くなってきましたね。この季節に相談が多いのは毛穴のトラブルやケアについてです。毛穴の黒ずみ、開きが気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本日は毛穴のトラブルとその原因、またその対策についてお話ししたいと思います。
一般に毛穴は皮膚科学的には毛孔と言います。
毛孔は毛の出口です。顔は眉毛や男性のひげを除くと細く短い毛が全体を覆っています。顔の毛は外気のほこりや汚れ、刺激を皮膚に直接受けないように緩衝材として存在すると考えられています。
また、毛孔は皮脂腺の出口も兼ねています。皮脂は数種類の油分が汗の水分と混ざり合って、皮膚の表面を薄く覆うことで天然の皮膚のバリアーを作ります。皮膚からの水分の蒸散を防ぎ、刺激を受けにくくして皮膚を守っているのです。
人間の皮膚には毛穴は不可欠なのですが、つまりや開き、くろずみなどで目立つと悩みの原因になります。では毛穴を少なくすれば良いと思われるかもしれませんが、毛穴の数は生まれながらにして決まっていて、残念ながら少なくすることはできません。
次に毛穴のトラブルについてお話しします。
・毛穴のつまり
脂性肌の方がなりやすい、最もよく聞く毛穴のトラブルです。特にTゾーンにみられます。皮脂量が多いため毛穴に皮脂がたまり、やがて詰まって毛穴を押し広げ白いプツプツが目立ってきます。
・毛穴の黒ずみ
毛穴のつまりは時間が経つと酸化して表面が黒くなることがあります。また慢性的に毛穴のつまりが続くと毛穴自体が色素沈着で薄い茶色になることもあります。
・角栓
角質と結びつき毛穴の中で固くなると角栓と呼ばれ、栓のように毛穴に蓋をしている状態となり、なかなかとれなくなります。
・毛穴の開き
特に鼻や頬に見られます。頬脂性肌の方は皮脂が多いことで毛穴の出口が押し広げられて毛穴が開くことが多いです。反対に乾燥肌の方は皮脂不足が原因で毛穴の開きが目立つことがあります。乾燥すると皮膚のハリが失われ、毛穴の陥凹が目立ってしまいます。
また、加齢や睡眠不足、日焼け、不規則な生活で皮膚のターンオーバーが乱れると、角質がたまりやすく、毛穴が開きやすくなります。また、夜、メークを落とさず眠ってしまったり、メーク落としが不十分だったりするとメークの成分が毛穴に残り、開きの原因になります。
・帯状毛穴
毛穴の開きが慢性的に続き、加齢によりハリが無くなってくると、毛穴の陥凹が大きくなります。その毛穴と毛穴の陥凹がつながって小じわのように見えることを帯状毛穴と言います。
次に対策です。
まずは丁寧な洗顔です。
メークは必ず毎日しっかり落としましょう。必ずメーク落とし(クレンジング)の表記のある商品を使い、くるくると円を描くように、メークを溶かし出すイメージでしっかり落としましょう。メーク落としのあと、通常の洗顔料で洗顔します。脂性肌の方は皮脂をしっかり落とすことを念頭に置いて丁寧に洗いましょう。気温が高くなる季節は皮脂も多くなります。こまめに洗顔して皮脂が毛穴にたまるのを防ぎましょう。
しかしゴシゴシこすったりしてはいけません。意外に大切なのは洗顔料の使用量です。
少なすぎるとしっかり汚れを落とせませんので商品記載の1回使用量を守り優しく泡立てて洗いましょう。乾燥肌の方でも皮脂は毎日分泌されています。お湯や水では無く、洗顔フォームを使って洗顔しましょう。保湿成分が配合されている洗顔料を選ぶと良いでしょう。
次に保湿です。
毎日のしっかりした保湿は乾燥肌の方への対策としてはもちろんですが、脂性肌の方にも有効です。乾燥していると皮膚は自然に皮脂を出そうとしますが、脂性肌の方は過剰に皮脂が分泌されてしまいます。はじめから保湿しておけば皮脂の分泌量を抑えることができると考えられるからです。
紫外線対策も有効です。
夏はもちろん、一年中日焼け止めをつかいましょう。日差しの強い季節は帽子や日傘も併せて使用しましょう。
規則正しい生活をし、睡眠は十分に取りましょう。食生活にも気をつけ、ビタミン類を多く取るよう意識されると良いでしょう。毛穴パックや毛穴ブラシは皮膚に負担がかかることがあります。あまり頻繁に使わないようにしましょう。ピンセットで毛穴の汚れを取ったり、圧力をかけて出したりすることも炎症の原因になるのでお勧めしません。
人間、毛穴は必ずあります。なくすことはできません。皮脂が毛穴に溜まるのも自然なことです。
しかし丁寧な洗顔や毎日の保湿と言った普通のケアで少しずつ目立たなくすることは可能です。毛穴が気になる方は是非今日から始めてみてください。
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嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。